近年注目される発酵食品の中でも、NHK番組「ためしてガッテン!」でも取り上げられた酒粕。その成分がすごいことが分かったのです!
「飲む点滴」と呼ばれて健康に良さそうだということはわかっているけど「何がいいの?」「どうやって取るのがいいの?」という疑問にお答えします。
目次
[酒粕ってなあに?]
日本酒を製造するときにもろみを絞った絞りカスのことを言います。
板状の板粕、成型されていない柔らかいばら粕とあります。
板状のものは酒粕用に作られたものが多く、スーパーなどでよく見かけます。
ばら粕はいわば、酒を絞ったままの状態の酒粕です。蔵元で手に入ります。新鮮なので香りが良く、発酵が進んでいる生きた状態なので栄養分も多いです。
[酒粕の栄養成分]
酒粕にはタンパク質、炭水化物、食物繊維、ビタミン類、有機酸、ミネラル等の多くの栄養成分が含まれます。
中でも注目すべきがタンパク質と食物繊維。お酒を作る過程でそれらの栄養成分は米よりも多くなります。
そのタンパク質と食物繊維はレジスタントプロテインと言う成分で、酒粕の他に大豆に含まれ、これがすごい効能をもたらす成分なのです!
[レジスタントプロテインとは]
レジスタント プロテイン(Resistantprotein)とは、食物繊維と似た生理機能を持つタンパク質です。
レジスタントプロテインの最大の特徴は体内で、消化、吸収されにくく、脂質を捉えて体外に排出するということです。
[酒粕の効能]
レジスタントプロテインを多く含む酒粕。その特徴である「油吸着効果」は何に効果があるのでしょうか。
[便秘・腸内環境の改善]
水溶性の食物繊維レジスタントプロテインが腸内のぜん動運動を促進し、便通改善を促す効果があります。
ある研究では、酒粕を摂取することで、日和見菌の増加が確認されたそうです。
日和見菌というのはあまり聞きなれない菌ですが、腸内に存在し、善玉菌にも悪玉菌にも変化できるニュートラルな菌のことで、日和見菌が多いほど腸内環境のバランスが保てると言われます。
酒粕は、米を発酵させて作る酒の工程で出来るものなので発酵食品でもあります。
発酵食品が腸内環境を改善し、便秘が解消されるということが最近よく言われますよね。
[コレステロール値の低下]
[美肌]
アミノ酸が体内に吸収され肌細胞に供給されます。合わせてレジスタントプロテインが腸内環境を整えることで効率良く、アミノ酸が吸収され、肌のキメを整えます。
他にもダイエット、うつ病、糖尿病などが改善される効果が検証されています。
[美容と健康に効く甘酒のレシピ]
効果の出る酒粕の摂取量は1日50g。
甘酒にして、毎日飲むのがいいですね。
酒粕甘酒のカロリー(300ml)は141kcalで、牛乳200mlと同じカロリーです。
毎朝、牛乳の代わりに甘酒を1杯飲みましょう。
では作り方です。
[甘酒のレシピ]
分量 (1杯分約300ml):
・酒粕50g(1日の推奨摂取量です。)
・水250ml
・砂糖25g(好みの分量。できればきび糖など精白糖でないもの。カロリーが気になる人はオリゴ糖やブドウ糖にするといいです)
鍋一つで作る甘酒の作り方:
1.鍋に水を入れ、砂糖を入れてよく溶かす。
2.砂糖が溶けたら火を止め、酒粕を入れてそのままにして酒粕を柔らかくする。
3. 酒粕が柔らかくなったら、よく混ぜて再び弱火で火にかける。(温まったら出来上がり)
冷蔵庫で5日間保存ができるので、少し多めに作っておけば毎日すぐに飲めますね。
レンジで作る甘酒の作り方:
- カップに酒粕とお湯を少し入れ、10-20秒ほどレンジで温める
- スプーンでなめらかになるまでよく混ぜる
- お湯と砂糖を入れてよくかき混ぜる。
[まとめ]
酒粕は古くから、体に良いものとして取られてきた日本伝統の発酵食品です。
「酒粕」「甘酒」が俳句の夏の季語であることからもわかるように、酒粕甘酒は江戸時代には夏の飲み物でした。夏の暑い時の栄養補給や体の調子を整える食品として飲まれる習慣が江戸時代に既にあったのですね。
酒粕は近年、酒蔵の産業廃棄物として扱われていたそうです。
日本酒の生産量が減ったことで、その廃棄していた酒粕にスポットライトを当て、何か有効利用できないかということで研究が始まったそうです。結果、成分の驚くべき健康効果が再認識されました。
酒粕は粕(カス)ではないどころか、宝だといえるでしょう。
酒粕を使った料理の過去記事です。
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