はい、みんな同じ魚醤です。
魚(イワシ、サバなどの青魚が多い)を塩漬けにして発酵させた調味料、魚醤のことです。
古くは古代ローマで「ガルム」と呼ばれた調味料がありました。
現在でも南イタリアのアマルフィには「コラトゥーラ」という魚醤があります。
ベトナムでは「ヌックナム」、タイでは「ナンプラー」、中国では「魚露(ユィルー)」、韓国、北朝鮮では「エクッチョ」という名で魚からつくられた発酵調味料が存在します。
一説には、ローマからシルクロードを渡ってアジアに入ったとも言われます。
アジアのナンプラー、ヌックナムは砂糖が入っています。
家庭で使うには、手に入りやすいもので良いでしょう。
私がよく作るナンプラーを使った料理レシピです
[イタリア料理]
・レモンのパスタ
レモンの産地でもあるアマルフィの家庭料理です。
茹でたパスタにレモンの絞り汁、ナンプラー、オリーブオイルをかけ、混ぜ合わせます。
以前テレビで見たのですが、アマルフィのレモン農家が、昼食に外のテーブルでお父さんがこのパスタを作って家族で食べるという光景を見ました。簡単で美味しいパスタです。
[エスニック料理]
・ガパオライス(炒めひき肉のご飯のせ)
豚ひき肉、玉ねぎ、ピーマン、人参を炒め、ナンプラー、塩、オイスターソースで味付けをします。ご飯の上に乗せて、上に目玉焼きをのせます。
最近エスニック料理で日本人にも人気のガパオライス。
辛くないタイ料理です。ポイントはひき肉にしっかり味を入れること。目玉焼きは多めの油で白身の周りがチリチリ焦げるくらいに焼きます。ぐっと本場のガパオライスに近くなります。
・ヤムウンセン(春雨サラダ)
干しえびを水で戻しておきます。
干しえびの戻し汁を沸騰させ、豚のひき肉、乾燥したまま春雨を入れて、ひき肉に火が通ったらザルにあげ、冷まします。
茹でた春雨とひき肉、ザクッと切った干しえび、きゅうりの千切り、人参の千切り、パクチーをボウルに入れて、
ナンプラー、レモン(あればライム)の絞り汁、塩、胡椒で味付けをします。
タイの春雨サラダです。
ポイントは干しえびを戻した水で春雨とひき肉を茹でること。春雨に干しえびの香りが移ります。
パクチーはナンプラーと相性がいいです。パクチーの茎や根もみじん切りにして入れると香りがいいです。パクチー好きにはたまりません。
[中国料理]
・蒸し魚
白身の魚(鯛、たらなど。切り身でも1尾まるごとでも)を耐熱の皿にのせ、ふんわりラップをして電子レンジで蒸します。
蒸しあがった魚に白髪ネギをのせ、ナンプラー、黒酢を合わせたものをかけ、フライパンで熱く熱したごま油をその上からジュっとまわしかけます。
上にパクチーを盛り付けます。
中国の「魚露」は醤油の色に近いです。ナンプラーと醤油を合わせてもいいでしょう。醤油もたまり醤油だと中国料理らしくなりますね。
この合わせ調味料、熱く熱したごま油を上からかける、は、サラダでも応用できます。大根、きゅうり、人参などの千切りサラダの上からこの合わせ調味料をかけ、熱いごま油をかけ、よく混ぜます。
[フィリピン料理]
・アドボ(豚三枚肉の角切り、鳥の手羽(どちらかだけでも良い)の酢煮)
玉ねぎのみじん切りを炒めます。豚の三枚肉のブロックや鳥の手羽先、手羽元などを入れ、少し炒めます。
ひたひたにかぶる位の水、ナンプラー、酢、砂糖少々、ベイリーフの葉を入れて肉が柔らかくなるまで煮込みます。
茹でタマゴも一緒に煮ます。
日本にも似たような料理で、鶏の手羽元のすっぱ煮がありますね。日本人にも食べやすい料理です。
フィリピンの肉じゃがのような家庭料理だそうです。
[私のオリジナルレシピ]
・レンコンのナンプラー炒め
薄切りのレンコンを油でじりじり焼き付けるように炒め、ナンプラーで味付けをします。黒胡椒を多めに入れます。
レンコンがおしゃれなおつまみに。黒胡椒が効いて、歯ごたえも良く、ポリポリお箸が止まらない一品ですよ。
エスニックを作った時に買ったけど、使いきれなくて冷蔵庫に残っているナンプラー。醤油の代わりに、旨味のある塩の代わりにといろいろ使い方はあります。
醤油や塩の減塩料理にも。醤油や塩の代わりにナンプラーを使えば、減塩ができます。相性の良い、酢やレモンと合わせると味が締まります。