土用の丑は館山「いち松」の趣ある建物でうなぎを食す


国産のうなぎを食べさせる店。館山「いち松」に行ってみた。


 

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「うなぎが食べた〜い」と叫ぶ私。

なあぜ、土用の丑になるとうなぎが食べたくなるのでしょうか。そもそもうなぎは冬が旬だと。脂が乗っているそうです。しかも年々高騰する鰻。スーパーで中国産を買ってまでという気にもなれず、混んでいるのを必至で店に食べに行きたいという。

朝、殿(←夫)に「今日、昼に鰻食べに行こうよ〜」とさりげなく提案。前々から言うと、なんでも構える殿なのでなかなかウンと言わない。なので一か八かで当日言ってみる。

「いいよ」の二つ返事(ガクッ)

実はこの日のために食べログ他ネットで調べ上げていたのです。房総の鰻の名店を。

館山にある「いち松」です。友人のブログでいち松が鰻が売り切れで入れなかった、とあったので、電話で予約した方がいいかなとHPを見ると、「電話には出ることができないことが多いので、直接ご来店いただくことをお勧めします」とある、、、。う〜ん、行ってみなきゃわかんないのか。そして安全パイにともう一つの鰻の名店「いづ喜」のHPを見ると定休日!!

そうか、一発狙いしかないのか、、、。

 

館山まで海岸線をドライブ。小さな館山のシャッター商店街を抜けるとそこに「いち松」があります。

目の前の広い駐車場に車を停め、「満車ではない、、ということは並ばなくて済むのか」とドキドキしながら、少し足早に店に。店の前の道に面して大きく開けた窓から、鰻を焼いている様子が見えます。煙もモクモク。あっ、でも優雅に煙の匂いに酔いしれている余裕はありません。

串に刺された蒲焼が炭の上で焼かれるのを横目に、のれんをくぐります。

 

あれ、、、誰もいない、、、、。「すみませ〜ん」と声をかけると「は〜い」と上の座敷から声。

仲居さんが階段を降りてきて、二階の席に案内してくれます。

畳敷きの広間にテーブルとイス席が並び、半分くらいのお客さん。

メニューを見るとうな重 並、特上、超特上の3種類。並、上、特上ではないのです。まあ、鰻の場合、枚数の違いというのが通常なので、いつも真ん中を頼むのですが、真ん中でも特上!という何か消費者心理を読み盗られたような、優越感とやられた感が交錯するのであります。

ああ、うなぎってなんでこんなに大層な食べ物なんでしょう。目的はただ一つうな重を食べる、で、もうその日はうなぎ大イベント、夏のフェスです、私にとって(笑)

待ちに待ったうなぎと肝吸いとお新香を交互に丁寧に時間をかけて食べる私。いつも5分もあれば完食する早食いなのに、うなぎには勿体なやと厳かに味わっていただきます。

ああ、また来年の夏までね。と鰻との再会を誓い、隅まで米粒一つ残さず食べた空のお重の蓋を閉じるわけであります。

で、お会計をと玄関に降りると、やっと目に入る看板。「本日の鰻は徳島産です」。

玄関の横の厨房では、古いタイル貼りのシンクの上のまな板で、鰻をさばいています。

鰻を捌く姿をうなぎ屋さんで見たの初めてかも〜。

最後の最後までうなぎフェスを堪能させていただき、店を後にしました。

せっかく殿(←夫)には初めての館山。ジャックマイヨールが晩年過ごしたという坂田(ばんだ)海岸とその周辺をドライブしたのち、戻ってまいりました。 

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料理研究家(オーガニックを主体とした野菜料理を中心にナチュラルなライフスタイルを提案) 2005年に海と里山がある秋谷に移住。地物の新鮮な季節の野菜が手に入る場所で野菜の料理に目覚める。【Eat locally.Think globally】をモットーにに国産野菜の恵みを最大限に味わえる料理を探求。ケータリングを経て、オーガニック惣菜・弁当の店、「ピクニック・デリ」を葉山に2013年にオープン。「あなたが食べたもので身体は作られる」食の大切さを感じ、音楽プロデューサー小林武史氏が手がける千葉の有機農場で食のプロデュースを行う。 心身の健康と食の関わりについてイベント、料理教室などを開催。 千葉県君津市在住。

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